スペイン・アリカンテは住みやすい?実際に1ヶ月住んでみた感想と良い点・気をつけたい点など

スペイン南東部にある、コスタ・ブランカの穴場リゾート地・アリカンテ。私は、昨年11月〜12月の1ヶ月間、アリカンテのアパートに滞在していました。1ヶ月間という短期間、休暇メインで滞在した一個人の感想ですが、実際に住んでみた感想と良い点・気をつけたい点をまとめました!

アリカンテの治安について

マドリード、バルセロナ、バレンシアなどの大都市と比べると、治安は良い方だと思います。リゾート地ということもあり、中心街は夜遅くまで観光客や現地の人も多いです。私は1ヶ月間滞在していましたが、その間に怖い思いをすることはありませんでした。

ただ、リゾート地という場所柄、スリや置き引き、夜の一人歩き(男女ともに)・人通りの少ない路地は歩かないようにするなど、最低限のことはしっかり気を付けてください。

街に「ものごい」の方も結構います。スーパーの入り口で出待ちしていたり、道に座っていたり、テラスでご飯を食べている時に話しかけられたりもします。

お金を渡すか渡さないかは人それぞれですが、中には大声で叫んだり、喚いたりする人もいるので、怖いなと思ったらできるだけ避ける&関わらないようにしてください。

アリカンテにはいなかったと思いますが、テーブルに宗教チックなカードや物を置いて回り、お金をもらうというやり方をする人もいます。「なんだこれ?」と気になると思いますが、お金を渡さなければ去ってくれなくなるので、決して触らずにそのまま放置して戻ってきたら断ってください。

また、日本人を含むアジア人がそもそも少ないので、歩いていると結構周りの人と目が合います。(ただのアイコンタクトの場合もありますが)
一度、小学校高学年くらいのグループとすれ違った時に「日本人だ!」なんて言われたこともあったので、日本人(アジア人)=珍しい=目立つという点も頭に入れて気をつけてください。

アリカンテについてのより詳しい記事はこちらからどうぞ↓

アリカンテを選んだ理由

まずは、数あるスペインの都市の中でなぜ「アリカンテ」を選んだのか。
現地で留学・仕事をするわけではなかったので、安易なポイントが多いです!ご了承ください。

アリカンテを選んだポイント
  • 物価が安く滞在費を抑えられること
  • 海がある街に住んでみたかったこと
  • 気候が1年を通して良いこと
  • 大きすぎず小さすぎない都市であること
  • 都市部に行きやすいこと(マドリード・バルセロナ・バレンシアなど)
  • スペイン国内ヨーロッパ近隣国にも旅行がしやすい場所であること

また、スペインには旅行した経験もなく、今回が初めての旅行&滞在でした。そのため、現地に実際行ったこともなく、Google Mapや他の方の旅行記などを参考にし、アリカンテを選びました。

一つずつ解説していきます。

1. 物価が安く、滞在費を抑えられること

私と私のパートナーは、二人ともフリーランスで家から仕事をしています。そのため、スペインでの滞在は“仕事をしつつ、休暇を取ること”が目的でした。

そこで重要となったのは、出来るだけ滞在費を安く抑えつつのんびりすることができる都市であることでした。その中でも、アリカンテは他の大都市(特にマドリード、バルセロナやスペイン北部)に比べて、滞在費が安いということが決め手となりました。

一番のポイントは家賃!

アリカンテは、マドリード・バルセロナといった人気都市と比べ、良い条件の物件に安く住むことができるのがポイントです。

例:50㎡、2ベッドルーム、家具家電付き、中心地から近い、などの条件(長期契約の場合の月額)
バルセロナ€850〜 (+光熱費, インターネット等)
アリカンテ€500〜 (+光熱費, インターネット等)
※2018年時点。あくまで個人的に調べた一例です。全てがこれに当てはまる訳ではありません。

アリカンテで€850/月だと、かなり良い条件の部屋に住めると思います。

ただ、長期で物件を契約するには、収入の証明・スペイン国内の銀行口座・NIEなどが必要ですし、条件の良い物件だと現地の人と争奪戦なので、個人でアパートを借りるのは大変な作業となるかもしれません。

私たちは、長期で住むための準備が整うまで、Airbnbで見つけたアパートに住んでいました。

11月〜12月というオフシーズンだったこともありますが、その時は月額€720(※当時のレートで8万8千円くらい)でした。もちろん、光熱費、家具・家電付き、インターネットは全て込みで、ベッドルーム2部屋(ツイン&ダブル)、リビングルームキッチン&ダイニングの二人で住むには十分すぎるアパートでした。中心街まで徒歩10分ほどで、近くにメルカドーナ(スーパーマーケット)もあり、便利な場所でした。

ちなみに、この条件と家賃だと、都市部ではシェアハウス(個室+共有スペース)しか見つけられないと思います。

また、食費(スーパーやセントラル市場での価格)、外食費(チェーンではない地元のレストラン、カフェのコーヒーなど)、語学学校などといったサービス費は、他の都市と比べて全体的に若干安いです。

2. 海がある街に住んでみたかったこと

海のある街(そしてできれば海の見える家に住むこと!)が私の夢の一つでもありました。

バルセロナ、バレンシア、マラガ、サンティアゴ・デ・コンポステーラなどなど…
海沿いの街はたくさんありますが、その中で大きすぎず小さすぎない都市+滞在費も抑えられる都市がアリカンテでした。

3. 気候が1年を通して良いこと

アリカンテは気候が良く、一年を通じて雨はほとんど降りません。また、冬は3度以下になることはありません。

不運なことに、私が到着した11月中旬はちょうど夏から冬へ季節が変わる瞬間で、1週間ほど毎日雨か曇りでした。ですが、冬でも晴れていれば太陽がとても熱いので、家の中より外が暖かいなんてこともありました。

4. 大きすぎず小さすぎない都市であること

私たちは東京に住んでいたので、都心の人の多さや忙しさに疲れて果てていました…。

自然に囲まれていて、人もそこまで多くないけれど、生活に困らないくらいの規模の都市を探した結果、アリカンテにたどり着きました。

5. 都市部に行きやすいこと(マドリード・バルセロナ・バレンシア)

何かしら用事ができて都市にすぐに行かなければならない状況でも、電車やバスなどのアクセスが良いことも理由の一つでした。

6. スペイン国内、ヨーロッパ近隣国にも旅行しやすい場所であること

意外にも、国内・国外問わず旅行がしやすい都市であることも理由の一つでした!
スペインの南部・北部にも旅行しやすい位置で、リゾート地ということもあり、アリカンテの空港からはヨーロッパ近隣国への格安チケットが出ていたりするので、時期を見れば格安で他都市に旅行できます。

住んでみて感じた良かった点と良くなかった点

結論をいうと、私達は1ヶ月でアリカンテからバレンシアに移動することに決めました。なぜ移動したのかということも含めて、アリカンテに住むメリットとデメリットをあげたいと思います。

アリカンテの良かった点
  • 海や山といった自然に気軽に触れることができる
  • 人がのんびりしていて親切
  • 古き良きヨーロッパの街並みを感じつつ、リゾート気分も味わえる
  • 大都市に比べると人は多くなくて落ち着いている
  • 国内・他国へ旅行がしやすい
  • 全体的に物価が安い

何と言っても、遠出したりせず気軽に海や山(岩山)に街からすぐに行けること大きな魅力でした。また、スペインの地中海沿いの街の中でもアリカンテの海ははとりわけ綺麗と言われているので、海好きな方で短期〜長期滞在する方は満喫できると思います。大都市と比べると街全体が忙しくないので、親切に対応してくれる人も多いです。

また、旧市街では古き良きスペインの雰囲気を感じることができることや、海沿いに行けばリゾート気分も味わえることも良かったです。

スペイン国内・国外への旅行もしやすく、イタリアなど他のヨーロッパの都市への格安航空券もあったりします。滞在中にグラナダへ長距離バスで行きましたが、乗り換えもなく楽でした。

また、物価が安かったのも長期滞在するには良い点でした。

アリカンテの良くなかった点
  • 地元の人や滞在している人との交流を持てる機会が少ない
  • 中心街以外のエリアでは、街があまり綺麗とは言えない
  • リゾート地なので冬対策(ヒーター等)があまりされていない
  • 生活がワンパターンになりがち

現地の人との交流イベントがないかMeetupなどで探してみたものの、ほとんど機会がなかったのが残念なポイントでした。(「バルに行けばすぐ友達できるのに!」という声も聞こえてきそうですが、お酒があまり得意ではない私達、あまりバルに行くことはありませんでした…)

また、中心街を外れると、歩道に犬のう○ちがそのまま放置されていることが多いです。(処理しない人が多い!)
私のアパートがあったエリア(考古学博物館周辺)は、冗談でなく一つの通りに必ず一つはう○ちが落ちていたので、足元に注意して歩かなければなりませんでした。日本の街のような清潔さを求めるのであれば、しっかりと処理する人の多い大都市が良いかなと思います。(マドリードやバレンシアではほとんど見かけませんでした)

次に、冬季(11月〜3月)に訪れる&アパートに滞在する場合に気をつけるべき点ですが、夏のリゾート地ということもあり、寒さ対策がされていない可能性があります。私が住んでいたアパートは、エアコンがリビングにしかなく、ベッドルームやキッチンなどは常に寒くてかなり悩みました。

また、道幅が狭いことから、低層階や北向きの部屋などはすぐに影になります。部屋によっては一日中全く太陽が入らないことも。夏場は涼しくて良いかもしれませんが、冬に行く場合や1年など長期で住む場合は、ヒーターや暖房が完備されているか必ず確認することをおすすめします。

日常生活はというと、アリカンテは大都市に比べて見どころや娯楽スポットも限られているため、生活がワンパターンになりがちです。もちろん、これが好きな人もいますし、海の街なので海に関わるスポーツやアクティビティが好きな方にとっては最適な街です。毎日刺激を感じながら暮らしたい!という人であれば、少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。

結論:1ヶ月でバレンシアに移動した理由

さきほど書いたように、私達はアリカンテで1ヶ月滞在した後、バレンシアに移動しました。

その理由はこちら。

  • 人との繋がりを増やせる機会を持ちたい
  • できればもっとキレイな街に住んでみたい
  • 長期で住む予定が、1ヶ月で満足してしまった

やはり、人と交流できる機会がたくさんある場所=少し大きめの都市、ということを改めて感じ、バレンシアに移動することに決めました。

そもそもアリカンテには長く滞在する予定で行ったのですが、第一印象から「イメージしてた場所と違うかも…?」ということを感じていました。旧市街など街並みがキレイなエリアもありますが、中心街以外の普通の住宅街は他のヨーロッパの街と比べて雑然とした印象で、できればもう少しキレイな街で暮らしてみたい、というのも理由の一つでした。

また、私達の場合はいつでも移動できるという事もあり、自分たちが本当に住みたいと思う街に出会うまで探してみよう、ということでアリカンテでの長期滞在をやめました。

まとめ

学校に行ったり、仕事をしたり、マリンスポーツを毎日したい!などといった目的や滞在の意味がある場合は、物価も安いですし、とても充実した暮らしができる街だと思います。

また、他都市から週末の日帰り旅行や、ちょっとリゾートっぽい所に行きたいなぁなんて時にはもってこいの都市です!食べ物は美味しいし安いし、海はキレイだし、街はコンパクトで観光しやすいので、満喫できると思います。

これはアリカンテだけの話ではありませんが、自分に何のゆかりもない地に長く住むのであれば、自分が好きな街を妥協せず探して住むべきだと痛感しました。(当たり前っちゃ当たり前のことですが)

人それぞれ好みの問題もありますし、何に焦点を当てるかによっても変わってくるので、あくまで一個人の一意見として何か参考になればと思います。